小さな男*静かな声

吉田篤弘氏の新作。
百貨店の寝具売り場に勤める男と、
深夜のラジオ番組のパーソナリティをつとめる女、
2人が交互に語る物語。

はじめはとりとめのないお話だなあという印象なのですが、
読み進めるうちに「ああ、こういうことなのね」と物語の構造に
思わずにんまりしてしまいます。

吉田氏の作品は、どれも好きなのですが、具体的にどう好きなのか、
言葉にするのが難しい。
雰囲気というか、その空気が好き。

この物語も、舞台は現代の日本なのですが、
どこか、海外文学のような味わいがあります。
品のいい海外文学を名翻訳家が訳したといっても、疑わない。

ぜひ、時間のあるとき、静かな部屋でゆっくりコーヒーでも飲みながら
読むことをお勧めします。

小さな男 * 静かな声 小さな男 * 静かな声
価格:¥ 1,943(税込)
発売日:2008-11-20